社会科学
著者コメント
本書では、私(安達)の13日間世界一周旅行記と日本を代表する企業2社の内部通報事件を扱った平尾さんの論文及び私と平尾さんの対談を通じて「勇気と倫理」の重要性などを探求します。未知の世界に飛び込む勇気や、正義を追求するための倫理的行動は、私たちの人生を豊かにし、成長させる力を持っています。
私はビジネススクール(経営系専門職大学院)教授です。昨夏の世界一周旅行前にも世界65か国を旅していましたが、世界一周旅行の経験はありませんでした。世界一周旅行とは、1回の旅行で太平洋横断と大西洋横断を含むルートを取り、複数の国や地域を訪れて地球を一周する旅のことです。日本を出発する場合、北米方面に向かう東回りルートと欧州方面に向かう西回りルートがあります。
2024年の夏、私は東回りルートで、マチュピチュもイースター島も旅程に加えたうえで13日間の世界一周旅行をしました。この旅を通じて、私は挑戦(行動)することの大切さを改めて感じました。未知の世界に飛び込むことは、時に不安や恐れを伴いますが、その先には新しい発見と感動が待っています。勇気を持って一歩を踏み出すことで、人生は豊かになり、成長することができるのです。
例えば、マチュピチュでは、歴史的な遺跡を目の前にした時の感動は言葉にできないほどでした。イースター島では、巨大なモアイ像の前に立ち、その歴史と謎に思いを馳せました。これらの経験は、私にとって大きな自己成長の機会となりました。
また、企業2社の内部通報事件を扱った平尾さんの論文では、正義を追求するための倫理的行動について考察しています。内部通報者が直面する困難やリスクを乗り越えるためには、強い信念と勇気が必要です。オリンパス社元社員(元従業員)の濱田正晴氏の経験は、その象徴的な例です。彼は会社の不正を告発するという重大な決断をし、報復人事やパワハラに耐えながらも正義を追求し続けました。濱田氏の勇気ある行動は社会に大きな影響を与えています。
本書では、私と平尾さんが、旅行記、論文及び対談という多様な形式と異なる視点から勇気と倫理の重要性などを探求しています。読者の皆様が、本書を通じて勇気を持って実際に行動すること及び倫理的行動をすることの大切さを感じ取り、日々の生活や仕事において実践していただけることを願っています。
新たな挑戦に向けて、一歩を踏み出す勇気と倫理を持ち続けましょう。
目次
勇気と倫理-はしがきに代えて-(安達 巧)
第1部:13日間の世界一周旅行(安達 巧)
第2部:内部通報に対する企業姿勢の考察
勇気と倫理観が求められる内部通報制度を考える(平尾祐人)
第3部:勇気と倫理の重要性-著者2人の対談-
読者への問いかけ
エピローグ-旅の余韻と新たな一歩への勇気-(安達 巧)
著者略歴
〈編著者紹介〉
安達 巧(あだち・たくみ)
早稲田大学商学部卒業、
東北大学大学院法学研究科私法学専攻博士前期課程修了 修士(法学)、東北大学大学院経済学研究科経営学専攻博士後期課程修了 博士(経済学)、(※標準在学期間は3年間ですが、在学2年での修了に挑戦して無事に博士学位取得)
神戸大学大学院法学研究科法政策専攻博士後期課程単位修得退学。
起業しての会社経営、税理士事務所(所長税理士)での経営コンサルティング及び起業支援等を経て、現在はビジネススクール(県立広島大学大学院経営管理研究科)教授。
有職社会人を対象に「企業法務」・「組織マネジメントとコンプライアンス」・「上場とコーポレートガバナンス」などを教える。また、世界一周旅行を含む世界70か国及び日本の全47都道府県を訪れた経験を持つ。
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、英国政府認定WSET(WINE & SPIRITEDUCATION TRUST)INTERNATIONAL HIGHER CERTIFICATE、一般旅行業務取扱主任者、等の資格を有する剣道2段(小学6年時に団体戦で全国優勝の経験あり)。
主要著書・論文(下掲以外にも著書・論文多数)
『ディスクロージャーとアカウンタビリティー-監査人としての公認会計士の責任-』
創成社(2002年)
『企業倫理とコーポレートガバナンス-知的資産の有効活用-』創成社(2002年)。
『会計基準の法的位置づけ-財務書類の真実性と会計・監査基準-』税務経理協会(2004年)
『ベンチャー企業のファイナンス戦略-会社法の徹底活用-』白桃書房(共著、2007年)
『19歳のときまでに教えてほしかったこと』ふくろう出版(共著、2011年)
『コーポレートガバンスと監査と裁判所』ふくろう出版(2014年、日本図書館協会選定図書)
『コンプライアンス-ハラスメント事例研究-』ふくろう出版(共著、2019年)
『不正会計とわが国の投資家保護』ふくろう出版(2020年)
『アントレプレナーシップと戦略経営-ビジネススクールでの実践-』ふくろう出版(共著、2021年)
『事業創造とアントレプレナーシップ』ふくろう出版(共著、2022年)
『MBA流 企業法務』ふくろう出版(共著、2022年)
『現代経営の法務と税務』ふくろう出版(平尾祐人等との共著、2024年)
「実効的な日本型コーポレートガバナンスの模索-オリンパス事件を契機として-」
産業経理協会『産業経理』第72巻第2号(2012年)pp.37-45
「取締役の法的責任とコンプライアンス経営-みずほ銀行反社会的勢力向け融資の事例を 手がかりとして-」産業経理協会『産業経理』第84巻第4号(2025年)pp.4-13
〈著者紹介〉
平尾 祐人(ひらお・ゆうと)
2011年 明治大学商学部商学科(特別給費奨学生)卒業。
2011年 鹿島建設株式会社入社。関東支店に配属。茨城県で現場事務を担当。
2015年 中国支店に異動。島根県で現場事務を担当。
2019年 中国支店管理部総務グループに異動。総務・人事・法務・広報を担当。
2024年 県立広島大学大学院経営管理研究科入学。
- 2025.06.18
- 『障害者・障害児心理学』
- 2025.06.10
- 『勇気と倫理』
- 2025.05.07
- 『ポジティブな行動支援』
- 2025.04.25
- 『第5版 小学校音楽科教育法』
- 2025.04.15
- 『間違った英語学習を見直そう!!』
- 2025.04.11
- 『英語学の基礎知識』
- 2025.04.10
- 『未来につながるボランティア』
- 2025.04.08
- 『英語通訳ガイドの基礎知識』
- 2025.04.01
- 『学校における養護活動の展開 改訂12版』
- 2025.02.28
- 『新版 生徒指導・進路指導論』