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不正会計と経営管理

  • 不正会計と経営管理
  • 安達 巧編著,川本 誠也著
発行日2025年11月15日
判型A5判
頁数58
税込価格1,650円
ISBN978-4-86186-951-8


著者コメント

企業の会計情報は、経営の意思決定を支える基盤であると同時に、投資家やステークホルダーとの信頼関係を築くための重要な手段でもあります。しかしながら、その情報が意図的に歪められたとき、企業は社会的信用を失い、経済的損失を招き、さらには市場全体の健全性にも影響を及ぼします。
本書は、不正会計に代表される企業不祥事が企業経営に与える影響と、それに対する管理・監査の責任について、理論と実務の両面から考察することを目的としています。
前半では、経営系専門職大学院(いわゆるビジネススクール)教授である安達が、オルツ社における不正会計事案の概要を整理し、監査人である監査法人の責任等について考察した論考を掲載しています。
オルツ社は上場後わずか6ヶ月で上場廃止となり、多くの投資家に甚大な損害を与えました。この事案は、金融商品取引法の下で上場企業に求められる厳格な経営管理や監査を含むコーポレートガバナンスの重要性を改めて浮き彫りにしています。読者の皆様には、現行制度の限界と改善の余地について、実例を通じて深く考えていただければ幸いです。
後半では、経営系専門職大学院に在籍する社会人学生の川本が、現在勤務する上場企業での実務経験を踏まえ、経営企画部に初めて配属された社員に向けて、経営管理の基本的な考え方や実務上の留意点を解説した内容を、パワーポイント資料とともに紹介しています。
上場企業においては、非上場企業以上に透明性と説明責任が求められ、経営管理の精度が企業価値に直結します。そうした現場感覚を持つ川本の視点は、若手社員の育成や社内研修にも活用できる内容となっています。
本書は、会計不正というセンシティブなテーマを扱いながらも、単なる批判に終始することなく、企業経営における健全な管理体制の構築と、会計情報の信頼性確保等に向けた実践的な知見を提供することを目指しています。
実務家、研究者、学生、そして企業で働くすべての方々にとって、本書が一つの指針となることを願ってやみません。

2025年10月14日
著者を代表して
安達 巧
(「はしがき」全文)

目次

はしがき

上場廃止企業の不正会計と監査人の責任
-オルツ社の事案を手がかりに- (安達 巧)

経営企画部社員に求められる資質・知識・スキル
~経営企画部に始めて配属される社員へ~ (川本 誠也)

著者略歴

<編著者紹介>
安達 巧(あだち・たくみ)

東北大学大学院法学研究科私法学専攻博士前期課程修了 修士(法学)
東北大学大学院経済学研究科経営学専攻博士後期課程修了 博士(経済学)
神戸大学大学院法学研究科法政策専攻博士後期課程単位修得退学
現在、県立広島大学大学院経営管理研究科教授。

主要著書
『ディスクロージャーとアカウンタビリティー-監査人としての公認会計士の責任-』創成社(2002年)
『企業倫理とコーポレートガバナンス-知的資産の有効活用-』創成社(2002年)。
『会計基準の法的位置づけ-財務書類の真実性と会計・監査基準-』税務経理協会(2004年)
『コーポレートガバンスと監査と裁判所』ふくろう出版(2014年、日本図書館協会選定図書)
『不正会計とわが国の投資家保護』ふくろう出版(2020年)
ほか著書・論文多数。


<著者紹介>
川本 誠也(かわもと・せいや)

2009年 立命館大学情報理工学部卒業
2009年 株式会社NTTドコモ入社
2025年 県立広島大学大学院経営管理研究科入学

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