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小泉八雲の日本研究

  • 小泉八雲の日本研究
    -ハーン文学と神仏の世界-
  • 高瀬 彰典 著
発行日2021年08月08日
判型A5判
頁数322
税込価格3,300円
ISBN978-4-86186-827-6
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概要

ヨーロッパを転々とした不遇な幼少年期。単身で渡米後は、孤独と極貧の中で努力を続けたラフカディオ・ハーン(帰化名:小泉八雲)。苦難続きであった西洋社会から脱して、東洋世界を志向する彼の異文化探訪は、マイノリティに対する心からの共感といった、アメリカ時代の取材態度にも表れていた。
そして、そんな異文化理解の作家としての円熟期は、彼の来日後に訪れたといえよう。来日後すぐに、英語教師として神道の発祥地出雲に赴任したことは、ハーンの日本研究を深める大きな動因となった。
神道の霊魂偏在や仏教の輪廻転生が矛盾なく同居する、日本独自の神仏混淆の世界の諸相をつぶさに観察し、庶民の素朴な信仰と質素な生活に接することによって、彼自身の人間観や世界観は大きく変化していったのである。
14年間に及ぶ日本体験から積み上げていったハーンの日本研究。
文学と哲学と宗教が溶け合う、彼独自の世界観が描かれた作品から、神仏の国、日本を考える。
付録として、本書内に登場したハーン作品を英文で掲載。

目次

序文 神仏との出会い
第一章 ハーン文学の足跡
 1.文学修行
 2.ハーンの文学論
 3.ハーンの文学芸術
第二章 ハーンの同時代人
 1.スペンサー
 2.チェンバレン
 3.漱石
第三章 異文化探訪の作家
 1.脱西洋の道
 2.自己探求と異文化理解
 3.漂泊する魂
第四章 神国日本の宗教
 1.神道の思想
 2.神道の祭祀
 3.神道と日本民族
 4.ハーンの神仏研究
 5.ハーンと神仏混淆の世界
 6.外来仏教と前世の思想
 7.キリスト教の伝道
第五章 封建制と日本文化
 1.封建制社会の確立
 2.日本文化の美質
 3.ハーンと明治日本
 4.日本文化の本質
 5.日本文化論
 6.神国と太平洋戦争
 7.欧化主義と日本人の精神構造
あとがき ハーン最後の著書『日本』
ラフカディオ・ハーン作品集
 Ⅰ GLIMPSES OF UNFAMILIAR JAPAN
 Ⅱ OUT OF EAST
 Ⅲ KOKORO
 Ⅳ IN GHOSTLY JAPAN
 Ⅴ KWAIDAN
 Ⅵ JAPAN-an Attempt at Interpretation

著者略歴

学歴:東洋大学、甲南大学大学院
職歴:日通商事、熊本商科大学教授、京都外国語大学教授、富山大学教授、島根大学教授

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