社会科学
- 米国経営の根底思想の研究
米国から導入した政策はなぜ不適合を起こしたのか - 高岡 義幸 著
発行日 | 2022年08月30日 |
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判型 | A5判 |
頁数 | 176 |
税込価格 | 2,970円 |
ISBN | 978-4-86186-863-4 |
著者コメント
米国経営の根底思想を少しでも明らかにすることができれば米国経営の性格をより正確に捉えることが期待できる。また日本に導入される諸方策に対しても不当な尊崇を抱くことなく冷静に評価し活用する道が開かれるであろう。
概要
著者は40年余にわたり経営学の研究と教育に携わってきた経歴を持ち、その一貫した目標は米国経営の根底思想を探ることである。
本書は著者がこれまでに発表した数多くの論文から選抜した6編を取り上げ、第1・第2章は導入部分となるヨーロッパの思想を時系列で確認したもの、第3章からは米国の経営の基礎となる思想の考察に移り、第6章で米国の経営と科学的方法との結びつきを考察して締めくくられている。
筆者の調査によると、日本の大学の文系学部・学科では科学的探究方法の体系的教育がほとんど行われていないのではないかと考えられる。6編の論文には、今後の社会に一層求められるであろう科学の方法、その有効性と限界などを体系的に身につける上で重要な理論が展開されている。
目次
第1章 ヨーロッパ思想の基本構造と人間の自律意識の発展
1. ヨーロッパ思想に登場する「哲学」と「理性」の意味およびその機能
2.ヨーロッパにおける思想形成の階層構造と理性主義
3. 理性主義の変遷と発展(神的理性からの脱却/人間理性の自律性向上)
4.ニーチェ思想の性格と彼の企て
5.ハイデガー思想の性格と彼の企て
6.人間の自律性の高まりとそれに対する反省
第2章 近現代ヨーロッパ思想に見る、神、自然、人間、社会、歴史の認識
1.17世紀の思想:「生成」に対する「存在」の優位
2.18世紀の思想:「存在」と「生成」の混在
3.19世紀の思想:「存在」に対する「生成」の優位
4.20世紀(1950年まで)の思想:「生成」の勝利
第3章 米国建国期思想の形成とその特徴
1.アメリカ大陸への入植動機
2.イギリスからの離反と独立
3.独立革命期の思想と独立宣言の趣旨
第4章 三つの側面から見た米国の思想
1.現代の経済体制の基盤形成
2.経営環境要因としての保守とリベラル
3.宗教の果たす役割
第5章 プラグマティズムの特徴と意義
1.主要三者の主張内容
2.プラグマティズムの要因と新規性
第6章 米国経営における科学的思考および宗教
1.『方法序説』にみるデカルトの思想
2.近代科学とその思考形式
3.科学で捉える真理
4.米国経営における科学的方法の活用
5.経営方策へのキリスト教の影響
著者略歴
高 岡 義 幸(たかおか よしゆき)
1973年 神戸大学経営学部卒業
1977年 米国、ローマリンダ大学経営学部卒業
1978年 広島経済大学助手、その後、講師、助教授
1988年 ドイツ、アメリカ両国で1年間在外研究
1989年 広島経済大学教授就任
2020年 広島経済大学退職
著 書 『経営学への手引き』学術図書出版社、1995年
『企業経営の基本論理』学術図書出版社、1997年
『経営学―実践の指針と論理―』学術図書出版社、1999年
『ビジネスの基礎知識』ふくろう出版、2006年
『 ビジネスマネジメント―採算から戦略、組織、会社制度まで―』ふくろう出版、2009年
『 持続的成長のためのコーポレート・ガバナンス―株式会社設計思想からの考察―』広島経済大学出版会、2015年
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