医学・看護介護・福祉
概要
1990年代以降、看護倫理という言葉は実践現場で頻繁に使われるようになり、個人の権利や人権の尊重、価値観の多様化が進む中、その重要度は増し続けている。
看護専門職が行う看護活動には、そのすべてにおいて倫理的側面があり、これからの看護専門職は、自らが行っていることについて、倫理的な説明ができることが要求される。
本書は、倫理的問題を学習するための基本事項、総論に始まり、実践事例を展開するための応用編へと続く。臨床における倫理教育の展開例及び3人の理論家のモデルを活用した具体的な分析手法やときほぐしを例示。倫理カンファレンスの手順においては、準備・実行・評価・監査までの実際を学ぶことができる。さらに倫理カンファレンスの記録においても、理論を活用した整理・分析の試みを取り入れ、事例における問題点の整理の仕方を学ぶことができる構成。
最終章では、関係者間の倫理が対立した身近なケースを領域ごとに11事例取り上げ、原因は何であったのか、未然に防ぐためにどのような配慮が必要であったか等の検討を促す。
執筆者は第一線で活躍する大学教員、臨床現場の看護部長、看護師長など、専門的・人間的技能のみならず、概念的技能に優れた執筆者を選定した。
本書は特に、状況に含まれる様々な要素の相互関係を認識し、包括・統合能力、状況認識能力、分析的・創造的・統合的・倫理的思考能力の形成に役立つものと自負している。
目次
第1章 倫理が問われ始めた歴史的背景
第2章 看護専門職と倫理
第3章 看護実践にとって重要な倫理原則
第4章 看護者の倫理綱領
第5章 ジレンマと倫理
第6章 ケアリングと倫理
第7章 看護研究と倫理
第8章 リプロダクティブ・ヘルス/ライツと倫理
第9章 在宅ケアと倫理
第10章 臨床における倫理教育
第11章 倫理問題を考える具体的な分析の手法およびときほぐし
第12章 倫理カンファレンスの手順
第13章 倫理カンファレンスの記録
第14章 臨床(地)現場で出あう身近な倫理問題
著者略歴
橋本 和子(はしもと かずこ)
高知女子大学家政学部衛生看護学科卒業
国立療養所東高知病院総看護師長、厚生省四国地方医務支局看護専門官、厚生省保健医療局国立病院課・政策医療課看護専門官、高知医科大学医学部医学科助教授、吉備国際大学保健科学部看護学科教授、同大学大学院保健科学研究科教授、高知大学医学部看護学科教授・看護学科長、同大学大学院医学系研究科看護学専攻教授・看護学専攻長他を経て
現在 福山平成大学看護学部教授・看護学部長、同大学大学院看護学研究科教授、看護学研究科長
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