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社会科学

媒介者の思想

  • 媒介者の思想
    改訂版
  • 高原 幸子 著
発行日2015年09月15日
判型A5判
頁数190
税込価格2,305円
ISBN978-4-86186-658-6
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著者コメント

この10年、タイ社会で出会った多くの女性が抱く日本で稼ぐことへの憧れと期待に対し、戸惑うことが多かった。開発と移住には密接な関係があり、さらに日本における外国人移住者のおかれた現状へとつながっていく。
タイやフィリピンから移動する女性たちに多くを学んだ。自分の方がむしろ故郷(ホーム)といったものにとらわれていたのかもしれない、と痛感することも多々あった。
西洋近代とアジアは、思想的に両立できるのか、という自分にとっては身の丈を超えた壮大な問い(願い)を隠し持っていたが、その一つの小さな答えは「媒介者になること」である。一瞬の間、光がかげる月の食に、思考し、伝える媒介者に。

概要

児童買春や人身売買など、現在アジア女性が抱える問題について、目の前の現実を媒介するエージェントという立場からその実状を照射。
本書の構成は2部から成る。国家をまたいだ女性の支援活動に長年携わってきた著者が、そうした草の根的活動からコミュニティのあり方を模索したのが第1部「NGOから見る支援の思想」である。続く第2部「人権の再考」では、国家単位の国際的駆け引きに利用されるのではない、女性が置かれた立場に沿った権利を探る。
2006年発行の初版に、大幅な加筆修正を加えた改定版。

目次

はじめに-エクリプシ・デ・ルネ
第1部 NGO(非政府組織)から見る支援の思想に向けて
 第1章 ジェンダーと開発
 第2章 娘たちの教育プログラム(DEP)の活動より
 第3章 アジア子ども基金(ACF)の支援活動
 第4章 メランコリーの天使
     -エイジアン・シャーマニック・コレクティブ-
  第1部 注
第2部 人権の再考
 第5章 桑名事件と法的言語
 第6章 <セックス・ワーク>論の地平
 第7章 女性の自己決定とエンタイトルメント概念
  第2部 注
 終章 言葉を失ったその後に・・・砂のアポカリプス
  終章 注
あとがき

著者略歴

高原 幸子(たかはら さちこ)
中京大学ほか非常勤講師
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程満期取得退学
名古屋大学大学院国際開発研究科修士課程修了
2003~2005年まで名古屋市男女平等参画推進センター・協働運営NPO室勤務

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