人文科学
概要
科学の知識、技術が進んだ現代において、人々は一層「合理的な考え方」でもって幸せを願いつつ生活をしている。
古くから様々な国に存在する迷信・俗信は、その大半が非科学的で不合理という性質を持ち、それらの多くが科学文明の進歩に伴って姿を消していった。しかしながら今なお活用されている迷信・俗信も数多く存在し「非科学性を承知の上で活用される」という性質は、迷信・俗信の持つ不思議な属性の一つであるといえる。
迷信・俗信が人間の生活全般に関わっている、いわば「生まれてから死ぬまで迷信・俗信につきまとわれている」という事実を鑑み、本書では人が誕生して死に至るまでの生活全般でみられる迷信・俗信を、極力数多く扱い、その体系化に努めるとともに、難解なルーツ探索、また時代的、地域的調査も加味し、個々の特性によって民俗学的、心理学的その他の観点からの考察を試みる。
日本における「英米の迷信・俗信」を扱った書籍は極めて少なく、本書はそれを解明する画期的な一冊であるといえよう。
目次
出版にあたって
序
第1部 誕生
第1章 生命誕生の神秘・出産と安産の願い・新生児の「魂」入れ
第2章 誕生の「時」と運勢・誕生と潮の干満・超能力者の誕生・誕生時の事情と吉凶
第3章 赤ん坊の「あざ」・母から子に伝わるもの・赤ん坊の「あくび」・育児留意事項
第4章 洗礼[式]・洗礼時の留意事項
第2部 死
第1章 死の前兆
第2章 死の切迫・死亡・死者浄め・葬儀準備・通夜・弔問
第3章 出棺・葬列行進・教会ミサ
第4章 埋葬・墓地と墓・四つ辻埋葬・弔いの宴・追悼式
第3部 恋と結婚
第1章 恋占いと結婚占い
第2章 婚約・結婚予告・結婚と結婚式
第3章 花嫁衣裳・花嫁花婿の心得・結婚式・花嫁の涙・結婚指輪
第4章 廃れたガーター投げ・祝福のコンフェッティと古靴投げ・花嫁へのキスの雨・帰り道での用心・すべて花嫁が中心
第5章 披露宴・ウェディングケーキ・ハネムーン
第6章 花嫁の敷居越え・新婚生活・子宝の幸福・夫婦間の主導権・結婚記念日
第4部 年中行事
第1章 大晦日の賑わい・元旦の初客・一年の計は元旦にあり・十二夜とシェイクスピア劇・顕現の十二日節
第2章 聖ヴァレンタイン祭とそのルーツ・聖デイヴィッド祭とリーキ・アイルランド人の聖パトリック祭・節欲の四旬節・懺悔節火曜日とパンケーキ
第3章 灰の水曜日・母親訪問日・エンドウ豆の主日・シュロの主日・王室行事の洗足木曜日・聖金曜日・大祝日の復活祭
第4章 万愚節・聖ジョージ祭とシェイクスピア生誕祭・五月祭
第5章 聖霊降臨祭・女王陛下誕生日・夏至祭と前夜・アメリカ独立記念日
第6章 初穂祭・収穫感謝祭・万聖節の前夜祭・火薬陰謀事件記念日・アメリカの感謝祭
第7章 クリスマス(キリスト降誕祭)(1)
第8章 クリスマス(キリスト降誕祭)(2)
Abstract
索引
著者略歴
藤高 邦弘(ふじたか くにひろ)
1943年 愛媛県生まれ
広島大学教育学部卒
広島大学大学院文学研究科英語学英文学専攻 博士前期課程修了
中学校・高等学校、大学受験ラジオ講座講師を経て岡山理科大学・倉敷芸術科学大学勤務(元国際教養学部長)
倉敷芸術科学大学名誉教授
Ph.D(英文学)、観光英語検定1級(文科省・国交省後援)
- 2022.3.30
- 『トラウマインフォームドケアを意識した精神看護過程の展開』
- 2022.04.1
- 『学校における養護活動の展開』
- 2022.03.31
- 『心理学を活用した看護実践』
- 2022.03.26
- 『大和塾を探す旅』
- 2022.03.20
- 『平成期日本の「子ども中心主義」保育学』
- 2022.01.31
- 『MBAで学ぶマネジメントとガバナンス』
- 2022.01.01
- 『おかやま しみんのどうわ 2022』
- 2021.11.30
- 『大学1年生のためのレポート・論文作成法 第2版』
- 2021.10.30
- 『わかりやすい介護実習のすすめ方と記録の方法 施設編』
- 2021.09.01
- 『自分の未来は自分が創る キャリア形成ワークブック』