医学・看護介護・福祉
- エンドオブライフ期の音楽
-痛みを和らげ、旅立ちの準備に寄り添う- - ジェニファー・L・ホリス 著,里村 生英 訳
発行日 | 2014年07月25日 |
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判型 | A5判 |
頁数 | 308 |
税込価格 | 2,970円 |
ISBN | 978-4-86186-611-1 |
概要
近年日本でも、終末期医療およびケアに関する意識が高まり、苦痛緩和や精神的ケアに重点を置いた終末期医療の供給体制整備等が求められている。
あらゆる医療技術をもってしても、回復を望むことができないとき、治療することのできる段階を終えるとき、その先で、できることは何であろうか。
緩和医療の中に位置する「ミュージック・サナトロジー」は、死に逝く人の傍らで、その人の状態に合わせてハープと声で音を紡ぎ、音楽の提供によって本人とその家族に寄り添うというもの。一見奇妙な、しかしながら理にかなったこの実践は、1970年代アメリカで始まった。本書はその実践の背景・現状・意義をまとめた、現在のところ唯一の理論書邦訳版である。
ミュージック・サナトロジーは「投薬なしに症状を管理する、一つの方法」であると、ある看護師は言う。患者の血圧や心拍数、不安のレベルを下がっていくのを目の当たりにしたという専門家もいる。
死と死に逝くプロセスに関わるというのは、大変な仕事である。
言葉や宗教の別などを越えて、美しさや親しさを提供することができる音楽。その独特な性質は、患者や家族だけでなく、日々、葛藤の中でターミナル期の患者をケアする医師や看護師、ソーシャルワーカーなど、スタッフにとっても大きな癒しとなり、特別な経験を提供するのである。
本書に記された貴重な実践の記録が、苦痛と苦悩に関わり合い、その中に意味を見出し、受け入れ、克服しようとする人たちの助けとなることを、あるいはそれぞれの立場から「生きること」「死に逝くこと」について考えるきっかけとなることを願っている。
目次
日本語版に寄せて
シリーズまえがき
謝辞
序
第一章 ハープを組み立てる、人生を組み立てる
第二章 アイデアの合流-ミュージック・サナトロジーの歴史的背景
第三章 ミュージック・サナトロジー概論
第四章 ベッドサイドからの物語
第五章 祈り、レジュメ、ABC「ナイトライン」-ミュージック・サナトロジストが職業を考えるとき
第六章 ミュージック・サナトロジーを医療施設に組み入れるということ
第七章 死との邂逅-音楽と変容
訳者あとがき
文献
人名索引
事項索引
著者略歴
ジェニファー・L・ホリス(Jennifer L.HOLLIS)
ミュージック・サナトロジスト。
1999年、チャリス・オブ・レポーズ・プロジェクト(CORP)での養成教育及び認定を修了。2006年、国際ミュージック・サナトロジー教会の資格認定を受ける。
現在、レイヒ・ホスピタル・アンド・医療センターの緩和ケアサービスにて活動を行う。
国際ミュージック・サナトロジー協会元会長及び元メンバー代表、資格認定作業部会メンバー。
コネチカット大学(学士・子ども発達)卒業、ハーヴァード神学校修了(修士・神学)。
里村 生英(さとむら いくえ)
広島大学大学院 教育学研究科(博士課程前期)教科教育学(音楽科教育)専攻修了。
1991年より大学専任教員として、音楽教育学分野の授業担当と研究に従事。
2001年より2年間、Boston University school of Theology及びWeston Jesuit School of Theology,Cambridge MAにて、スピリチュアリティについて学ぶ。帰国後は、スピリチュアリティ涵養への音・音楽の貢献に関する理論的研究と、ミュージック・サナトロジーに基づいた実践研究を行っている。CORP Contemplative Musicianship Program修了。
現在、京都大学大学院 教育学研究科 博士後期課程在籍中。
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