人文科学
概要
2012年刊行『ニーチェb』、2014年『ニーチェl』、そして2016年の『ニーチェ+』に続く、ニーチェシリーズ第4弾。
今回のタイトルにある「e」はストレートに、ニーチェの中心的思想「永遠回帰」を表したもの。タイトルが率直である代わりに、内容はフィクションを中心にした構成、という遊び心が加えられている。
そもそも哲学とは「私」という概念に対する批判的考察を一つの売りにしてきたという側面がある。論文にしろエッセイにしろ、自分語りを繰り広げるのはいかがなものかという違和感が、著者をフィクションへと向かわせた。
そして抱き続けたもう一つの疑念。それは哲学入門書の多くが、哲学史の歴史的事実と専門用語の説明で構成されているという現実に対してであった。本書の想定読者は、大学の教養課程で初めて哲学に触れるという学生。初学者の「哲学ってだいたいどんな感じ?」という素朴な問いに、真正面から向き合うことに挑んだ。歴史と用語解説という逃げ道を断ち、「哲学ってこんな感じ」とイメージで返答する。シンプルなようで難しい。まさに過酷な挑戦であった。
また講義テキストとしての利便性を考慮し、本書内に資料貼付や講義メモ・レポート記入等できるスペースも設けた。
目次
はじめに、であり、おわりに、である。
関係的思想としての「永遠回帰」の定式化の試み
はじめに
第一章 「幻影と謎」の章における問道上のツァラトゥストラの語りと「永遠回帰」の世界観的内容
第二章 ツァラトゥストラの人物規定と「永遠回帰」の世界観的内容に対する関係
第三章 伝達という関係性の教説としての「永遠回帰」の構造
おわりに
いつかどこかの教室で
第一講 ある神話
第二講 ある神話殺し
第三講 ある留学生
ニーチェ論と暴力
はじめに
1 ダントーのニーチェ論の立場
2 ダントーのニーチェ論の特徴
おわりに
センチメンタル・メロンパン
序
第一部 メロンは走れません
第二部 スタンドはいつも側にいる
第三部 時をかける前の吸血鬼
再びの序
再々の序
吸血鬼の時間外学習、あるいは博学なシカの補習授業
補習・一 ~ 補習・六
『ツァラトゥストラはこう言った』における永遠回帰
-キャラクターとしての、根本概念としての-
はじめに
Ⅰ 悲劇かパロディか
Ⅱ 自己論
Ⅲ 『ツァラトゥストラはこう言った』のキャラクターの「自己」の分析
おわりに
著者略歴
溝口 隆一(みぞぐち りゅういち)
同志社大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学 博士(哲学)
徳島文理大学保健福祉学部 教授
- 2025.1.1
- 『おかやましみんのどうわ2025』
- 2025.04.8
- 『英語通訳ガイドの基礎知識』
- 2025.04.25
- 『第5版 小学校音楽科教育法』
- 2025.04.15
- 『間違った英語学習を見直そう!!』
- 2025.04.11
- 『英語学の基礎知識』
- 2025.04.10
- 『未来につながるボランティア』
- 2025.04.01
- 『学校における養護活動の展開 改訂12版』
- 2025.02.28
- 『新版 生徒指導・進路指導論』
- 2025.02.25
- 『看護を学ぶための法と社会保障制度』
- 2025.02.25
- 『黎明期の京都国際観光論』