人文科学
概要
「大和塾」は第二次世界大戦のさなか、日本の統治下の朝鮮、現在のソウル市内に創設された。戦時下の日本による「同化政策」の主要な機関として知られるもその資料は日本、韓国ともにごく乏しい、幻ともいえる存在である。
在日韓国人である著者は高校・大学で教鞭を取るかたわら、日韓近代史に埋もれている人物の足跡を深く掘り下げる研究を続けてきた。そんな中出会った岡山県在住の僧侶であり、かつて大和塾で朝鮮人の指導にあたった大隅実山師を通じて大和塾の存在を知り、大隅師の求めにより幻の大和塾を探し求める旅に出る――。
戦時下、国家間の思惑による不幸な時代にあっても両国民の友好な関係を模索し続けた人人を取り上げ、これからの両国が真に友好な関係を築いていく上での指標になれば…。そんな願いを込めた著者渾身の研究書。
目次
はじめに
第一章 仏教伝来と渡来人 泰河勝
第二章 沙也可と沈壽官(シム スグァン)
第三章 海を渡った外交僧 松雲大師(ソンウンデサ)
第四章 対馬藩と外交官 雨森芳洲
第五章 半井桃水(なからいとうすい)と朝鮮
第六章 安重根(アン ジュングン)の遺墨と津田海純
第七章 韓の人々の心に寄りそった日本人 浅川巧
第八章 大和塾をさがす旅
第九章 在日を生きる
おわりに―近くて近い国に―
著者略歴
全 円子(チョン・ウォンジャ)
1965年岡山県生まれ。岡山商科大学准教授。
ノートルダム清心女子大学文学研究科日本語日本文学専攻博士前期課程修了。
訳書に崔季煥・崔延伊・張敬根『人が動く』(西日本法規出版,2004),主著には「半井桃水の政治小説の意義」(韓日軍事文化學會,2010)『大学と地域』(ナカニシヤ出版,2020(共著))などがある。
- 2022.3.30
- 『トラウマインフォームドケアを意識した精神看護過程の展開』
- 2022.04.1
- 『学校における養護活動の展開』
- 2022.03.31
- 『心理学を活用した看護実践』
- 2022.03.26
- 『大和塾を探す旅』
- 2022.03.20
- 『平成期日本の「子ども中心主義」保育学』
- 2022.01.31
- 『MBAで学ぶマネジメントとガバナンス』
- 2022.01.01
- 『おかやま しみんのどうわ 2022』
- 2021.11.30
- 『大学1年生のためのレポート・論文作成法 第2版』
- 2021.10.30
- 『わかりやすい介護実習のすすめ方と記録の方法 施設編』
- 2021.09.01
- 『自分の未来は自分が創る キャリア形成ワークブック』